余韻
今でも、彼女の言葉の意味が理解できない。


ヨミは、優しいね

そんなことねーですよ

でも、わたしの願いを叶えてくれるんでしょ?

まあそれは仕事ですからね

だったら、素敵な仕事じゃない

そんなんじゃねーです  アンタみたいに未練のある魂は、
例え天上へいけたとしても問題があるとかで処理に困るって上に言われてんですよ


……わたしには難しいことは解らないけど、でも、やっぱりあなたは優しいひとだと思うな


身体を喪い魂(ココロ)だけになっても常世へとゆけず、
現世に縛られたままの少女は言った。
言動も最期の願いも、全てが不可解だったその少女。
彼女は一体何を思い自分をそう評したのだろう。

「結局俺は、出来損ないだってことですか」

雪のように真っ白い髪。
けれどその半分以上はまるで墨に浸したかのような漆黒(くろ)。
右目にだけ奇妙な真紅(あか)を携えた、モノクロームの少年。

「……仕事にさえ支障がなければ、どっちでもいいんですけどね」


夜明け前の雪降る街に、少年は冷めた音(こえ)を落とす。